- ケイジャーダ1
- ケイジャーダ2
- ケイジャーダ3
「ケイジャーダ」
ポルトガル全土を魅了するチーズのスイーツスイーツが身近なものとしてさまざまな場面に溶け込むスイーツ大国、ポルトガル。「ケイジャーダ」も、ポルトガル全土で食べられている日常的なお菓子です。私が滞在させていただいたマデイラ島のご家族も、ほぼ毎日ケイジャーダを買っていました。
ケイジャーダの「ケイジャ」とはポルトガル語で「チーズ」という意味で、その名の通り、チーズを使ったタルトのような食感の焼き菓子です。薄いのにしっかりした食感の浅めの生地に、少し焦げ目がついた、とろけるような独特なチーズクリームがたっぷり詰められています。甘さは控え目なので、朝食やちょっと小腹が空いたときなどにもピッタリです。
パステラリア(カフェ)には、ミルクケイジャーダ、ココナッツケイジャーダ、アーモンドケイジャーダ、かぼちゃとにんじんのケイジャーダ……など、選びきれないほどの種類のケイジャーダが陳列してあります。また、それぞれの土地で親しまれているケイジャーダもあるので、ポルトガルを旅する際は食べ比べてみるのも楽しいかもしれません。
このスイーツはポルトガル全土で食べられていますが、特にリスボン近郊にあるシントラという町のものは有名です。シントラはかつてポルトガル王家の避暑地として栄えた山間部の町で、町全体が世界遺産として登録されています。
シントラにおけるケイジャーダの歴史は古く、13世紀頃にはすでに作られていたという記録が残っているそうです。16世紀に九州のキリシタン大名がローマへ派遣した「天正遣欧少年使節団」が、シントラを訪れた際にケイジャーダを食べたと言われています。その後日本に伝わったケイジャーダは、「けさちいな」という南蛮菓子に姿を変え、今も佐賀県や長崎県で受け継がれています。