- 石の上でじっくりと焼き上げられるキュネフェ
- 熱々の鉄板に乗せたまま提供されます
- 屋台などでも売られているそう
- 「カイマック」というクリームを乗せても◎
- カリカリの細い麺と、とろとろのチーズが絶妙!
「キュネフェ」
熱々チーズがとろける鉄板デザートトルコは地理的には遠くとも、昔からシルクロードを通して貿易が行われてきた、日本と関わりが深い国です。映画にもなったエルトゥールル号の遭難(※1)やイラン・イラク戦争時の日本人救出(※2)のように、両国はお互い助け合い、友好的な関係を築いてきました。
また、トルコは日本と同じく地震大国で、中央部を除くほぼ全域に地震プレートが走っています。2023年2月に発生した大規模なトルコ・シリア地震は、まだ記憶に新しいでしょう。この時も日本から多くの救助隊が駆け付け、支援活動を行いました。
今回ご紹介するスイーツは、そのトルコ・シリア地震で最も被害が深刻だった南部ハタイ県の名物。天使の髪とも称される極細麺「カダイフ」を使った「キュネフェ」です。
キュネフェは、バターを染み込ませたカダイフでチーズを挟んだスイーツです。チーズは「ハタイ・ペイニリ」という、塩分が含まれていないものが使われ、トッピングにはピスタチオパウダーが振りかけられています。
熱々の鉄板プレートでとろけたチーズとサクサクのカダイフが、まさに最高のマリアージュ!
「カイマック」と呼ばれているクロテッドクリーム(牛乳の乳脂肪分を集めたもの)やアイスクリームを乗せると、一味違ったおいしさも味わえます。
キュネフェはトルコ中のレストランで、季節問わずにデザートメニューとしてラインアップされている定番のスイーツで、スーパーなどでも冷凍で販売されていますが、温かいデザートなので寒い時期に食べると、さらにおいしく感じられるそう。でも高カロリーでお腹にたまるので、トルコ人はあまり頻繁には食べないそうです。
私はレストランで食後のデザートとして食べましたが、あまりのおいしさにあっという間に完食してしまいました。トルコの数え切れないほどの多彩なスイーツの中でも、私の1番はこのキュネフェです。
※1 1890年9月、オスマン帝国(現在のトルコ)の軍艦が和歌山県の串本町大島樫野崎沖で座礁し、587名の犠牲者を出した事件。近隣の住人が不眠不休で生存者の救助と介護、殉職者の捜索を行いました。
※2 1985年3月、「48時間後に、イランの上空を飛ぶ飛行機を無差別に攻撃する」というイラクの声明を受け、トルコ共和国の救援機がイラン滞在中の日本人215名全員をイランから脱出させました。後に駐日トルコ大使が「私たちはエルトゥールル号の借りを返しただけ」と語っています。