循環型社会実現への寄与

不二家では、商品の設計からお客様に届くまでに発生する食品ロスや廃棄物の削減、容器包装における環境負荷の低減に3R※1を通じて取り組み、資源の循環利用を促進して、環境負荷の低減と持続可能な発展を目指しています。

  1. ※13Rとは「Reduce(ごみの量を減らす)」「Reuse(繰り返し使う)」「Recycle(再び資源として利用する)」3つの言葉の頭文字をとった略称。
    3Rの推進は、循環型社会の形成に欠かせないものと考えています。

食品ロス・廃棄物削減への取り組み

不二家は食品メーカーの責任として、食品ロス削減、食品リサイクル率向上に取り組み、2030年度食品リサイクル率95%を目標に掲げています。目標達成に向け、商品の設計からお客様に届くまでに発生する食品ロスや廃棄物の削減に取り組んでいます。各工場では製造過程における食品ロス削減のため、品質の安定・安全供給を目指し、生産機械の改良、更新を行っています。

食品リサイクル率実績と目標

2030年度の食品リサイクル率95%達成を目標に、各工場等の製造工程で発生した廃棄物は、飼料・肥料等の原材料化、燃料等への再生利用を積極的に実施しています。
2023年度では発生した食品ロス4,253t(前年比83.0%)の内、3,372tをリサイクルしました。

食品リサイクル率
2023年度実績 2030年度目標
79.3% 95.0%
  • 2030年度末までに
食品ロスにおけるリサイクル率及び廃棄処分量推移
廃案物処分量(t) リサイクル量(t) 食品ロス発生率(%) 食品リサイクル率(%)
2019年度 1,411 4,202 8.0 74.9
2020年度 1,126 4,241 7.9 79.0
2021年度 891 3,732 6.9 80.6
2022年度 1,147 3,976 6.6 77.6
2023年度 881 3,372 6.6 79.3
集計対象:全9工場(秦野、平塚、富士裾野、埼玉、野木、泉佐野、吉野ヶ里、札幌、山形)

食品リサイクルの取り組み(工場・店舗)

リキッドフィーディングのリサイクルシステム

不二家では各工場で発生した廃棄物をブライトピックグループが運用するリサイクルシステム「リキッドフィーディング」に提供し飼料化することで、可能な限り食品ロス削減に努めています。2023年度は、3,071tを飼料化しました。
また、洋菓子店舗では、多くの皆様に楽しんでいただけるよう、日々多くの商品を取り揃えておりますが、その反面で商品が余ってしまう課題がありました。そこで販売後のロスを削減するため、食品ロス削減のためのフードシェアリングサービス「TABETE(タベテ)」を導入しています。

  • 2023年12月現在103店舗で実施

食品ロス・廃棄物削減に関する具体的な取り組みについてはサステナビリティレポートをご確認ください。

容器包装での環境負荷低減

製品の容器や包装については、製品をおいしく安全にお客様にお届けする「品質の保持」の役割を維持しながらも、省資源や廃棄時の環境負荷を低減する「環境配慮」の両側面を大切に取り組みを進めています。2023年においては包装材料の削減(サイズダウン)や環境に配慮した包装材料の使用促進に取り組みました。

プラスチック削減

脱プラスチックを実現した商品パッケージ

各商品に使用する外装や個包装、トレーなどについては、プラスチック使用量削減に向けサイズや厚み、材質などを随時見直しています。2022年からは主力商品であるカントリーマアムブランド3品の外装サイズを縮小し、合計で年間約100tのプラスチック削減に取り組んでいます。
「100gミルキー袋」の外装は、2020年から紙パッケージを採用しています。キャンディ個包装もこれまでとおりの包み紙を使用し、脱プラスチックを実現しています。

ダンボール

ダンボールを薄肉化した商品パッケージ
©やなせたかし/フーベル館・TMS・NTV

商品の外箱や品質に影響がない範囲で薄肉化やサイズの縮小を進めています。サイズの縮小により多くの商品を積載し、配送効率の向上を図っており、保管・輸送に関わるエネルギー使用量の抑制にも繋げています。
2023年度は「アンパンマンコロコロビスケットボーロ」「アンパンマンひとくちビスケット」「アンパンマン幼児用ビスケット」の3品のダンボールを薄肉化し、配送効率の向上を図りました。1ケースあたり約2%のCO2削減に繋げています。

バイオマス素材の活用

バイオマスインキを使用した包材

一般のインキに用いられている原料は石油であることが多いですが、石油は枯渇資源の1つです。バイオマスインキとは樹木や米ぬか等の再生可能な有機性資源を一部使用したインキのことで、バイオマスインキを使用することで石油の使用量を抑制でき、またカーボンニュートラルの実現にも貢献することができます。
不二家では、菓子製品の外装や内装をはじめ、ほぼすべての包材に植物由来のバイオマスインキを使用しています。2021年からは、洋菓子店舗やレストランのポリ袋や紙袋を環境に配慮した素材に変更しています。

FSC認証紙の使用

FSC認証紙を使用した包材

近年、世界で森林資源が失われ、環境及び社会経済に深刻な影響をもたらすことが危惧されており、不二家では紙製容器でのFSC※1認証紙※2への切り替えを推進し、使用を拡大しています。菓子製品の小箱や洋菓子店舗で使用している紙器などに関しては、ほとんどFSC認証紙を使用した包材への切り替えが進んでいます。

  1. ※1FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)責任ある森林管理を世界に普及させることを目的とする、独立した非営利団体であり、国際的な森林認証制度を運営している組織。
  2. ※2森林の管理や伐採が、環境や生態系、地域社会に配慮して適切に行われているかなどの、評価・認証を受けた原材料を使用した紙のこと。